
「プラスチック資源循環促進法」が施行されるなど、国や世界規模で自然環境保全への動きが進んでいます。企業の環境保全に関する取り組みをお聞きすることで、理解が深まるのではないかと考え、積極的な取り組みをしている施設にお話を伺いに行きました。
「吹上浜フィールドホテル」について

「吹上浜フィールドホテル」は2020 年9 月にオープンしたグランピング施設で、2022年4 月にはホテル棟もオープンしました。 以前は国民宿舎「吹上浜荘」でしたが、有限会社コロンが譲渡を受け、改築して吹上浜フィールドホテルとなりました。
有限会社コロンはIT企業ですが、会長の出身地でもあるいちき串木野市のために、地元貢献の意味も込めて開業しました。現在取り組んでいることは、環境に配慮した設計、太陽光発電により薪を使わないテントサウナの設置、プラスチックを削減した環境負荷の小さいアメニティの導入などです。



紹介したい取り組みはテントサウナとアメニティです。テントサウナは太陽光発電によって稼働しており、太陽光パネルはホテル横の温泉センターに設置されています。薪を使わないのでCO₂を削減できます。また、一酸化炭素中毒を防ぎ安全性も考慮されています。
麦の廃棄部分から作られた「mugicara」をアメニティとして採用しています。ホテルの各部屋には必要最低限のものだけを置き、チェックイン後にアメニティコーナーからお客様が選ぶことで余計な消費を抑えています。アメニティの選択は自由ですが、現在はサスティナブルな製品を選ぶお客様が増えています。
課題と展望

新設して間もないグランピング・ホテル施設として、まだ取り組めることがないかを探すことが今後の課題だと認識しています。グランピング施設はオープンから約2 年、ホテルは約半年です。会社自体がホテル業や旅館業に新規参入して間もないので、会社もスタッフも初めてのことだらけで日々勉強しています。お客様に満足していただけるサービス提供と環境保全のバランスを意識しながら、SDGs に限らずこれからも社会貢献できる取り組みを試行錯誤していきます。
感じたこと・学んだこと

担当の二木様が「1つの施設や企業が環境保全に取り組んだからと言って、すぐに効果が現れるわけではない。しかし、その中でもできることをして貢献しようという思いで取り組んでいる」とおっしゃっていたことが印象的でした。
アメニティに関しては、エレベーター前などに「mugicara」を紹介するポスターを掲示しています。利用する方にも環境問題について考えられるきっかけ作りになっていると感じました。
できることは限られていますが、それぞれのペースに合わせて取り組みを継続していくことが、地球の資源を未来に残していくために大切なのではないかと思いました。
私たちにできること

身近な例として私たちにまずできることは、環境保全に関する取り組みや再生資源を利用した製品への理解を深めることだと思います。
今回取材させて頂いた吹上浜フィールドホテルは、ホームページやSNS を利用してSDGsに関する取り組みを積極的に発信しています。私たちが商品やサービスを選択する際には、価格以外にも作られるまでの過程や配慮がされているかどうかにも目を向ける必要があります。環境に配慮した製品やサービスが身の回りにないか探すことや、SNS を利用して定期的に情報を集めることが手段の一つだと思います。
こぼれ話

吹上浜フィールドホテルから徒歩3分、いちき串木野市にある戸崎港や市来港から水揚げされた新鮮な海産物を使用している「えびす食堂」にお邪魔しました。お刺身は身がプリプリでとても美味しく、地元の方からも観光客からも愛されている場所だと感じました。