
平川動物公園は、2022年に開園50 周年を迎えました。私たちと動物との関わりや動物たちのくらし、環境、課題について知りたいと思いました。また、以前より動物保護といった動物とSDGs に関するニュースや情報を目にする機会が増えたこともきっかけのひとつです。
「平川動物公園」について

緑あふれる自然豊かな場所、平川動物公園は「楽しく学べる、楽しく遊べる動物公園」「南国鹿児島らしく、人と動物にやさしい動物公園」の2 つを基本コンセプトとしています。その一つとして、楽しく学べる参加体験型のイベントを行っています。2021年には体験型特別企画展「かごしまSDGs アクション4」、2022年には「ゾウのレスキュー大作戦」という講座を開催しました。

私達が特に紹介したい取り組みは、「ゾウのレスキュー大作戦」です。これは、アブラヤシ栽培の影響で生息地を失ったボルネオゾウの暮らしを通して、人間と動物が共存する方法をボルネオ島の子どもたちと一緒に考えるという取り組みです。どうぶつ学習館には、子どもたちが考えたレスキュー法が2022年12月まで掲示されていました。また、2021年からお正月限定で「ボルネオSDGs 福ぶくろう」というボルネオ島の動物たちのカレンダーや羊毛で作られたキーホルダーなどが入っている福袋が販売されています。売上の一部はボルネオ島の動物たちを守る活動に使われます。
課題と展望

平川動物公園は、環境教育を行う場であることをよりたくさんの方たちに知ってもらうことを課題としています。そのために、SDGsや環境に関する学校向けのプログラムや「ゾウのレスキュー大作戦」などのイベントを継続していくと同時に、一般の来園者に対しても動物たちの環境を考えるきっかけとなるようなイベントを充実させることが必要だと考えています。これらの活動を通して、環境学習が動物園でできるという認識が少しずつ人々に浸透していくことを願っています。
感じたこと・学んだこと

今回の取材で、オランウータンやゾウの故郷であるボルネオ島の森が人間の手によってアブラヤシという他の木の栽培の場に変えられてしまい、動物たちの生活が困難になっていることを初めて知りました。アブラヤシからとれるパーム油は、私たちがよく食べているカップラーメンやアイスクリームなどの原料に使われていることが分かったので、日々の生活の中でパーム油が使われている食べ物は極力控えるといった心掛けをが大切だと思います。
私たちにできること

平川動物公園では、売上の5%をボルネオ島の動物たちを保護するために使うという自動販売機をどうぶつ学習館の中に設置しています。私たちがジュースを購入して飲むことによってボルネオ島の動物たちの保護に貢献することができます。来園した際に喉が渇いたときには、どうぶつ学習館の中にある自動販売機でジュースを買うことをおすすめします!
こぼれ話

(画像提供:鹿児島市平川動物公園)
取材終了後、ゾウの見学に行きました。すると、寝室で過ごしており、いつもとは違った姿を見ることができました。写真は、普段の様子のアンリーとラウナです。今回の記事は、たくさんの質問にお答えいただいた中の一部です。その中でも、私たちが皆様にお伝えしたいことを厳選して、作成しました。平川動物公園の皆様、取材にご協力いただきありがとうございました。