毎日膨大な量のエネルギーを必要とする空港ビルの、環境保全対策や設備の効果的な活用などのお話を詳しくお聞きしたく、私たちE2 グループは取材先に鹿児島空港を選び、その運営を行っておられる鹿児島空港ビルディング株式会社を訪問しました。

「鹿児島空港」について

鹿児島空港は、1972年4月1日に開港しました。広さ4万5000平方キロメートル、標高271.6メートル、面積187万7000平方メートル、滑走路3000 メートルなど最新航空保安施設を備えた、九州でも二番目の旅客数を有する大型空港です。南の離島と直結する本土最南端の空の玄関口として、国内外の航空ネットワーク拡充と、公共交通機関の一翼を担う南九州の様々な交流の結節点として、利便性の高いサービスを提供する役割を果たしています。

2008年には、BEMS(Building EnergyManagement Systemビルエネルギー管理システム=通称ベムス)を導入し、外気温や利用客の混雑に伴う室温調整が自動化されました。他にも、以前、空港内のレストランで出た生ごみを飼料化し、黒豚の餌にするなどの取り組みを実施していましたが、コストと衛生面の観点から現在は取りやめています。また、スムーズに搭乗できるだけではなく、人と時間も軽減することができるチケットレスの導入も取り入れようとしてます。最後にサービスの一環である足湯は一番利用者に好評である推しポイントです。

課題と展望

施設の大きさや必要不可欠なシステムの多さから、電気の使用量が多いことが課題です。そこで太陽光発電の導入をすることにより、電気の使用量を少しでも減らす対策を行っています。また、現在コロナの影響で使われていない国際線のブレーカーを落とす取り組みもしています。また3 階デッキにある太陽光発電設備はターミナルビル全体の0.8%の使用量を賄うことができます。実際に3階展望デッキに芝生は設置してありますが、その下層の2階搭乗ゲート内の室温が夏場3 度下がったデータもあるようです。また断熱効果だけではなく、子供が裸足で遊べるようにもなっています。

感じたこと・学んだこと

今回の取材で、鹿児島空港ビルディング株式会社が沢山のSDGs の課題解決に取り組まれていることを知りました。全自動の空調機システムは、空港内のお客様が過ごしやすくなるだけでなく、環境問題の解決にも直結しているので大変素晴らしい取り組みだと感じました。また、鹿児島空港ビルディング株式会社はSDGs の7 番「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」に力を入れて取り組んでおられ、具体的な結果を示して、その取り組みのメリットやデメリットを詳しく教えていただけたので大きな学びになりました。

私たちにできること

一般市民、学生の関わりとして私たちにできることは、空港を利用する際は、節電に協力するためになるべく階段を利用する、排出ガスを削減するために空港までの行き来で公共交通機関を利用する、トイレでの節水を心がける、空港内での食事をする際はなるべく残さないようにするなどが挙げられます。コロナ禍の影響で空港を利用する機会が減ってきていますが、地球や人にやさしい環境づくりをするために一人一人の協力が必要だと感じました。

こぼれ話

担当者の方にお話を伺ったあと、鹿児島空港内のレストランで昼食をとりお腹を満たしました。その後、空港内の展望デッキを見学していたところ、スポット( 駐機場内にある個別の航空機を駐機するために定められた位置) に停められた飛行機のコックピットから、パイロットの方が何度も手を振ってくださり、取材メンバー全員心が和みました。

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