事業所を選定する際に、地産地消と女性の活躍推進に取り組んでいることを取材テーマとしました。内ファームのジェラート工房pace(以下:パーチェ)が、長閑な場所で経営されていることや生き物がいて穏やかな雰囲気であることに魅力を感じました。そこで「パーチェ」従業員の上野様にお話を伺いました。

「パーチェ」について

パーチェは地産地消などに積極的に取り組んでいる日置市のジェラート工房です。100頭以上の乳牛を飼育する内ファームに隣接されています。ジェラートは全て手作りで、内ファームで採れた牛乳をふんだんに使用しています。また、全てのジェラートが卵不使用で、卵アレルギーの方にも大変喜ばれています。内ファームは上野様のご両親が、パーチェは上野様を含む四姉妹で経営しています。パーチェという名前は、イタリア語で「平和」を意味するpace という単語に由来しています。

パーチェでは地産地消に力を入れています。牛乳は隣接されている内ファームで採れた新鮮なものを使用しています。その他、伊集院産の黒ゴマ、日置産のパッションフルーツなど、多くの鹿児島県産食材を使用しています。また、育児と両立しやすい職場という点もパーチェの押しポイントです。例えば、従業員の勤務日と子供の行事が重なった際には、学校行事への参加を優先できるように柔軟にシフトを調整しています。子供を職場に連れてくることができ、子供のそばで安心して働けることも家族経営ならではの魅力です。

課題と展望

現在新型コロナウイルスの影響を受けており、そのため上野様は、新型コロナウイルスが収まり次第、徐々にイベントへの出店や店内での飲食を可能にしたいと考えています。

また、上野様の亡くなられたおばあさまが花を好きだったため、店舗を花でいっぱいにしたいとおっしゃっていました。そして、搾乳体験等のイベントを通して地域の人や子供たちとの交流を増やすことを予定しています。

感じたこと・学んだこと

パーチェは、鹿児島県産食材を使っているジェラートが魅力的でした。材料の仕入れ時には、地域の生産者の方々に感謝の気持ちを伝え、お互いの信頼関係を築く努力をしています。そのことから地域の活性化に貢献していることを知りました。また、子育て中の女性も活躍できる労働環境が整っていることも分かりました。更に、新型コロナウイルスによる営業方法の変化など困難に直面しても、従業員同士が団結し前向きに対応している姿が印象的でした。

内ファームでは「命や酪農の大切さを伝えたい」という思いから、搾乳体験や乳牛のブラッシング、アイス作りなどの交流活動に取り組んでいました。このような体験活動が、老人ホームの方々や小学生など、幅広い年齢層の方々から人気でした。新型コロナウイルスが収まり次第、酪農体験の再開を検討しています。またジェラートを江口蓬莱館やチェスト館などの物産館に出品しています。最近では、妙円寺詣りへの移動販売など、店舗まで行かなくても気軽にジェラートを楽しめるような工夫をしています。

こぼれ話

取材後にジェラートをいただきました!卵を使っていないのでさっぱりしていました。ミルクのコクや甘さも感じられて、とても美味しかったです。内ファームの牛舎も見せていただいたのですが、たくさんの牛がのびのびと育っていてとても癒されました。

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